このページは、21世紀COEプログラム「活地球圏変動解明ーアジア・オセアニアから世界への発信ー」の今週のこの一枚のもとになったものです。

2003年10月22日以降の画像を別ページで紹介しております。

阿蘇中岳第一火口の湯溜まりが示す火山活動の変化

 阿蘇中岳第一火口では、1989年から1993年はじめまで断続的にストロンボリ式噴火が発生していたが、それ以降は全面湯溜まりの状態が続いている。1994年から1995年にかけて土砂噴出が発生したものの、1997年以降は比較的穏やかな状態が続いており南壁(下の画面で右端)からの噴気のみが観測されていた。しかし、2000年以降湯溜まりの水位が低下し、2000年11月には南壁で赤熱現象が観測されるようになるなど、火山活動が活発化する兆候がみられ、2003年7月10日に小規模な土砂噴出が発生した。過去の噴火歴を考慮すると、湯溜まりが干上がった後ストロンボリ式噴火が発生する可能性が高く、現在も地震、電磁気、地殻変動観測などにより火山活動の推移が注意深く見守られている。

2003年10月22日の火口の様子
赤熱現象(2001年8月2日、中坊真氏撮影)

湯溜まりの水位変化の様子。2002年5月から2002年8月までに約10m低下し、それ以降も減り続けている。湯の温度は2003年10月現在約85度。6ヶ月で約20度上昇した。

2002年5月14日 2002年7月3日 2002年9月9日
2003年5月18日 2003年7月31日 2003年9月19日
2003年10月17日